ものづくりの街で自然にも恵まれた浜松に生まれ育ち、10代の頃から建築の道を歩んできました。
そんな私が建築家としてお客様に提供できるのは、パターン化や汎用のできない唯一無二の空間と、その先に続く替えの効かない「心地よさ」です。そして心地よい空間には、設計初期からの丁寧な「手しごと」が形になって現れると考えます。
脳科学における「手は第二の脳である」という言葉どおり、手が脳内と現実世界とをつなぐ媒体となり、動きに乗ってアイディアが展開されるからです。例えば、設計の始めは鉛筆1本でのラフスケッチから展開します。鉛筆の線の強弱や伸び具合に乗って、人間の動きや光や風の入り方など数値化しきれない自然界の事象が表現され、それらに馴染んだ形として寸法を伴った図面に落とし込まれるのです。
「手しごと」の設計によってお施主様ならでは・その土地ならではの幸せが提供できれば、私にとっても最大の喜びです。