「一間間(いっけんま)グリッド」で
理にかなった心地よさを
和楽舎設計工房では代表・山﨑がかつて師事した木造建築の第一人者、建築家・吉田桂二氏(故)の「一間間(いっけんま)グリッド設計」の伝統を継承しています。
一間(いっけん)とは寸法の呼称。「尺(しゃく)」単位における6尺にあたり、1.818メートルの長さです。これは畳1枚の長い方とほぼ同じ寸法で、日本古来の木造建築の基本単位となっています。この一間を1単位として間取りを創ることが「一間間(いっけんま)グリッド設計」であり、日本の伝統的な美しさを引き出せるだけでなく、様々なメリットや魅力があるのです。
例えば構造面。一間を1マスとした格子(グリッド)に沿って柱や梁を配置するため規則的な架構(骨組み)となり、全体に荷重がバランス良く分散されます。柱や梁に無理な力がかからず全体にしなやかで芯の通った美しさが現れることから、一間間グリッドは「意匠(デザイン)と構造の合一」の象徴とされています。
コストや省エネルギーの面でもメリットがあります。材木業などの流通は現在も尺や一間が基本単位となっているため、「一間間(いっけんま)グリッド」
の家では特注の製材が少なくなります。これはコスト抑制や端材廃棄等によるエネルギーの節減につながると同時に、過剰に天井を高く(柱を長く)することなく、室内の広さや高さにおいてメリハリを出すことにもつながります。
人や地球に優しい設計をすると、繊細な美しさのあるデザインやシンプルで明快な動線・間取りが連動するように生まれるのです。伝統を大切にした「一間間(いっけんま)グリッド設計」によって、自然界の理にかなった心地よさを追求しています。