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少しづつ
都道府県を越えた移動がしやすくなった最近。
みなさんは遠出などされましたか?
 
私も少し移動が増え、
県外の友人がこちらに来てくれる機会も戻ってきました。
 
そんなこの春、
県外の「建築女子」と行った浜松の建築をご紹介します。
 
 
行ったのはこちら。
藤森照信氏が設計した「秋野不矩美術館」です。
 
 
 
 
IMG_5418_edited.jpg
 
建築史家でもあり、そのデザインから
「縄文建築家」とも言われる藤森氏。
 
この美術館も鉄平石の屋根に
藁(ワラ)や焼杉で出来た外壁など、
日本古来の自然素材でできています。
 
ちなみに…美術館は静かな山の上。
アプローチの途中には
宇宙船のような造形の茶室もあり(画像右側)
一帯まるごと異空間のようです。
 
IMG_5424_edited.jpg
 
館内は古民家を思わせる空間。
 
IMG_5394.jpg
 
展示室へは靴を脱いで上がり、
床に座って作品を鑑賞できるスタイルです。
撮影禁止でしたが、展示室の床材は凹凸があり、
足の裏に触れる質感も鑑賞の記憶の一部となりました。
 
 
温もりを感じる素材感ながら
全体は直線的なモダンデザインでまとめられ、
古代と現代の融合が美しい建物です。
 
 
 
 
私は美術館に行くと
気になるものを無意識に
触りそうになったり、
感動して声を出してしまって
スタッフの方に注意されることも多いのですが
(ごめんなさい!)、
この日は良いこともありました。
 
展示準備中のため非公開だった階段室を、
特別に見せてもらうことができました!
 
IMG_5406.jpg
IMG_5402.jpg
 
壁は杉板で木目をつけたコンクリート。
天井は杉材で組まれた格子やルーバー。
 
華奢ながら丸みのある手摺や
ぼんぼりのような照明も愛らしく、
有機的なぬくもりと
清潔感とのバランスが絶妙です。
 
 
一緒に巡ったのは、建築・インテリアの尊敬する先輩であり
気さくで楽しいお姉さん的存在。
浜松の自然に触れながら、
仕事のこと、プライベートのこと、美容のこと、食のこと…
色々話して、それはもう楽しい時間でした。
 
直接会って話したり、
空間の「空気」を感じることの尊さを再確認した一日。
そんな尊さを表現し伝えていける建築士でありたいものです。
 
 
 
 
(スタッフ:里沙)
 
 
【works(浜松 磐田)】

サイト内に、設計事例を追加しました。

 

「リフォームのケイズ」様 倉庫

タイトルクリックで紹介ページに飛べます

「リフォームのケイズ」様は浜松市南区の工務店。
倉庫の基本デザインと施工をケイズ様にて行い、和楽舎では実施設計と工事監理を担当しました。


ページ内では、内観の写真や設計時・施工時のエピソードもご紹介しています。

どうぞご覧ください。

01KS.JPG

 

設計事例一覧はこちら

今回は、
このサイトの「プラン例」に新しく追加した
「浜松・山手町の家」について、
さらに掘り下げてご紹介します。
 
住宅街の中で自然豊かな環境を作ったプランです。
どうぞご覧ください。
 
 
(立面図)
 
場所は浜松市中区。山手町に実在する土地が本プランの敷地です。
 
地図 山手町.jpg
(地図:国土地理院より)
 
 
山手町は浜松中心部にほど近い、高台に位置する住宅街です。
いわゆる高級住宅街として
落ち着いた雰囲気を保ち続けています。
 
 
家族構成はこちら↓
 
夫…40代 医師。 市内にてクリニックを経営。
妻…40代 看護師。 市内病院、大学にて非常勤。
子ども(兄)…小学校高学年
子ども(妹)…小学校中学年
 
 
普段はそれぞれに仕事や学校、塾、習い事と忙しい一方で、
休日には思い切り外遊びを楽しむ家族。
住宅も、自然界の中で毎日を過ごせるような環境を計画しました。
 
 
それでは実際のプレゼン図面に沿ってご紹介します。
 
 
 
 
【配置図・1階平面図】
 
浜松_山手町の家 01平面図1F.jpg
 
南に広く設けた庭には低木から高木まで彩ゆたかな木々を配置し、
明るい光と豊かな緑を室内に存分に取り込める計画としています。
 
 
 
 
 
さて。こちらの書き込み図をご覧ください。
 
配置図書き込み.jpg
■建物配置
図の右下・南東方面は隣家がなく眺望や採光も申し分ないため
全体として南東に向かって開けたつくりにしました。
 
■玄関アプローチ
浜松では玄関まわりを計画するにあたり、
冬の「遠州のからっ風」対策なしでは考えられません。
 
「遠州のからっ風」とはこの地域で冬に吹く風で、
西(図の左側)から冷たく強い風が冬は毎日吹き込みます。
 
出入りの度に室内に冷たい風が吹き込まないよう玄関は西面を避け、
北側に回ってドアを開けるアプローチとしました。
 
■車庫・駐車場
車社会である浜松では、
車庫から室内に直接入れる動線があれば
雨の日や買い物後、子連れでの帰宅などが
非常に便利です。
この計画でも、
車庫から土間収納を経由して
玄関ホールに到達する動線を確保しました。
 
車庫の配置は
人通りの少ない北側道路に面したビルトイン形式。
家の出入りが通行人から目立たないよう配慮しています。
 
さらに車庫を北側に配置したのは、
西から吹く「からっ風」対策でもあります。
車庫が西に面していると、
木枯らしの強風と共に吹き込んだ落ち葉などが溜まってしまいます。
 
吹き溜まりを作らないことで、掃除の手間がかからない設計としました。
 
ちなみに来客用駐車場は広い西側道路沿いにオープンに配置し、
初めてでも見つけやすいよう配慮しています。
 
 
 
 
【2階平面図】
 
浜松_山手町の家 02平面図2F.jpg
 
吹き抜けを作ることで、子供室と1階ダイニング、庭を緩やかに繋いでいます。
吹き抜けの先には近隣建物もなく視界が開け、目下に広がる庭の景色が楽しめます。
 
子供室・ダイニング・庭の関係性は
こちらの内観パースがあれば、
よりイメージいただけると思います。↓
 
浜松_山手町の家 05内観パース - コピー.jpg
(内観パース)
2階子供室では机に座りながら家族や庭の様子が感じられ、
適度に1階と距離があるため学習に集中できる環境です。
 
 
【立面図】
 
浜松_山手町の家 03立面図.jpg
メイン道路である西側道路正面から見た図面。
植栽を植えることで街に緑の潤いを与え、
内部のプライバシーも守ってくれます。
また、こもれ日の穏やかで明るい光が室内にも届きます。
 
 
【断面図】
 
浜松_山手町の家 04断面図.jpg
 
夏は日射を遮り、冬は温かい太陽光が存分に差し込むように
軒先の長さを調整しています。
 
軒先は、短か過ぎると太陽高度の高い夏の日差しが室内に入ってしまいますし、
長すぎると低めの高度の冬の太陽ですら室内に入れません。
このあたりの調整はある程度は実績や理論に基づいて設計しますが、
最終的にはスケッチで線を重ねながら検討します。
 
 
ちなみに図をよく見ると、
車庫の屋根の頂部が一部オープンになっているのが
おわかりいただけますでしょうか。
このオープン部分の上には2階の屋根が架かっているので、
車庫の中に雨は入りません。
車の排気だけが、上へ抜ける仕組みになっています。
 
 
 
 
「浜松山手の家」のプランをご紹介しました。
住宅街の中でも、少しの工夫で自然の恵みを満喫できる家はつくれます。
 
理想とする自然との関わり方は、人それぞれ。
家づくりや間取りでお悩みの方は、
家の中で感じられる緑や光についても
ぜひイメージしてみてくださいね。
 
 
 
■関連ページ:
 
 
 
 
 
先日、実施設計を担当させていただいた
株式会社ケイズインテリア様 倉庫
にて、完成写真の撮影を行いました。
 
空が一番青い時間帯に撮るということで、
先方に向かったのは夕刻18時。
真昼のイメージが強い青空ですが、宵の口に撮影です。
 
この時間帯にした理由は
夜景も撮れるから…というのもあるのですが、
何より、昼の青空よりも
鮮やかで濃い青空になるから!
 
「ブルーモーメント」と呼ばれる空の色です。
 
 
まだ日が高い到着したばかりの写真↓
IMG_3423.JPG
 
 
「ブルーモーメント」の空↓
IMG_3444.JPG
 
 
このような感じです。
 
 
ちなみに「ブルーモーメント」は
・日の出前
・日の入り後
と、1日に2回見られます。
 
こちらは、朝4時30分集合にて撮影の
「なごみクリニック様」の写真です。
 
なごみOPS_3042.jpg
 
 
というわけで
ケイズインテリア様倉庫の完成写真は、
近々事例紹介のページに追加予定です。
全貌を、どうぞお楽しみに!
 
 
関連ページ:
 
 
 
 
 
(スタッフ:里沙)
 
 
【works(浜松 磐田)】
 
 

プラン例を1点追加しました。

 

「浜松・山手町の家」

※タイトルクリックでページへ移動します

 

浜松_山手町の家 05内観パース - コピー.jpg

 

穏やかで気品を感じさせる住宅街に計画した4人家族の住宅。
吹き抜けと緑豊かな庭により、自然界に佇むような開放感を表現しました。

ぜひ、ご覧ください!