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サイト内に、設計事例を追加しました。

 

「リフォームのケイズ」様 倉庫

タイトルクリックで紹介ページに飛べます

「リフォームのケイズ」様は浜松市南区の工務店。
倉庫の基本デザインと施工をケイズ様にて行い、和楽舎では実施設計と工事監理を担当しました。


ページ内では、内観の写真や設計時・施工時のエピソードもご紹介しています。

どうぞご覧ください。

01KS.JPG

 

設計事例一覧はこちら

今回は、
このサイトの「プラン例」に新しく追加した
「浜松・山手町の家」について、
さらに掘り下げてご紹介します。
 
住宅街の中で自然豊かな環境を作ったプランです。
どうぞご覧ください。
 
 
(立面図)
 
場所は浜松市中区。山手町に実在する土地が本プランの敷地です。
 
地図 山手町.jpg
(地図:国土地理院より)
 
 
山手町は浜松中心部にほど近い、高台に位置する住宅街です。
いわゆる高級住宅街として
落ち着いた雰囲気を保ち続けています。
 
 
家族構成はこちら↓
 
夫…40代 医師。 市内にてクリニックを経営。
妻…40代 看護師。 市内病院、大学にて非常勤。
子ども(兄)…小学校高学年
子ども(妹)…小学校中学年
 
 
普段はそれぞれに仕事や学校、塾、習い事と忙しい一方で、
休日には思い切り外遊びを楽しむ家族。
住宅も、自然界の中で毎日を過ごせるような環境を計画しました。
 
 
それでは実際のプレゼン図面に沿ってご紹介します。
 
 
 
 
【配置図・1階平面図】
 
浜松_山手町の家 01平面図1F.jpg
 
南に広く設けた庭には低木から高木まで彩ゆたかな木々を配置し、
明るい光と豊かな緑を室内に存分に取り込める計画としています。
 
 
 
 
 
さて。こちらの書き込み図をご覧ください。
 
配置図書き込み.jpg
■建物配置
図の右下・南東方面は隣家がなく眺望や採光も申し分ないため
全体として南東に向かって開けたつくりにしました。
 
■玄関アプローチ
浜松では玄関まわりを計画するにあたり、
冬の「遠州のからっ風」対策なしでは考えられません。
 
「遠州のからっ風」とはこの地域で冬に吹く風で、
西(図の左側)から冷たく強い風が冬は毎日吹き込みます。
 
出入りの度に室内に冷たい風が吹き込まないよう玄関は西面を避け、
北側に回ってドアを開けるアプローチとしました。
 
■車庫・駐車場
車社会である浜松では、
車庫から室内に直接入れる動線があれば
雨の日や買い物後、子連れでの帰宅などが
非常に便利です。
この計画でも、
車庫から土間収納を経由して
玄関ホールに到達する動線を確保しました。
 
車庫の配置は
人通りの少ない北側道路に面したビルトイン形式。
家の出入りが通行人から目立たないよう配慮しています。
 
さらに車庫を北側に配置したのは、
西から吹く「からっ風」対策でもあります。
車庫が西に面していると、
木枯らしの強風と共に吹き込んだ落ち葉などが溜まってしまいます。
 
吹き溜まりを作らないことで、掃除の手間がかからない設計としました。
 
ちなみに来客用駐車場は広い西側道路沿いにオープンに配置し、
初めてでも見つけやすいよう配慮しています。
 
 
 
 
【2階平面図】
 
浜松_山手町の家 02平面図2F.jpg
 
吹き抜けを作ることで、子供室と1階ダイニング、庭を緩やかに繋いでいます。
吹き抜けの先には近隣建物もなく視界が開け、目下に広がる庭の景色が楽しめます。
 
子供室・ダイニング・庭の関係性は
こちらの内観パースがあれば、
よりイメージいただけると思います。↓
 
浜松_山手町の家 05内観パース - コピー.jpg
(内観パース)
2階子供室では机に座りながら家族や庭の様子が感じられ、
適度に1階と距離があるため学習に集中できる環境です。
 
 
【立面図】
 
浜松_山手町の家 03立面図.jpg
メイン道路である西側道路正面から見た図面。
植栽を植えることで街に緑の潤いを与え、
内部のプライバシーも守ってくれます。
また、こもれ日の穏やかで明るい光が室内にも届きます。
 
 
【断面図】
 
浜松_山手町の家 04断面図.jpg
 
夏は日射を遮り、冬は温かい太陽光が存分に差し込むように
軒先の長さを調整しています。
 
軒先は、短か過ぎると太陽高度の高い夏の日差しが室内に入ってしまいますし、
長すぎると低めの高度の冬の太陽ですら室内に入れません。
このあたりの調整はある程度は実績や理論に基づいて設計しますが、
最終的にはスケッチで線を重ねながら検討します。
 
 
ちなみに図をよく見ると、
車庫の屋根の頂部が一部オープンになっているのが
おわかりいただけますでしょうか。
このオープン部分の上には2階の屋根が架かっているので、
車庫の中に雨は入りません。
車の排気だけが、上へ抜ける仕組みになっています。
 
 
 
 
「浜松山手の家」のプランをご紹介しました。
住宅街の中でも、少しの工夫で自然の恵みを満喫できる家はつくれます。
 
理想とする自然との関わり方は、人それぞれ。
家づくりや間取りでお悩みの方は、
家の中で感じられる緑や光についても
ぜひイメージしてみてくださいね。
 
 
 
■関連ページ:
 
 
 
 
 
先日、実施設計を担当させていただいた
株式会社ケイズインテリア様 倉庫
にて、完成写真の撮影を行いました。
 
空が一番青い時間帯に撮るということで、
先方に向かったのは夕刻18時。
真昼のイメージが強い青空ですが、宵の口に撮影です。
 
この時間帯にした理由は
夜景も撮れるから…というのもあるのですが、
何より、昼の青空よりも
鮮やかで濃い青空になるから!
 
「ブルーモーメント」と呼ばれる空の色です。
 
 
まだ日が高い到着したばかりの写真↓
IMG_3423.JPG
 
 
「ブルーモーメント」の空↓
IMG_3444.JPG
 
 
このような感じです。
 
 
ちなみに「ブルーモーメント」は
・日の出前
・日の入り後
と、1日に2回見られます。
 
こちらは、朝4時30分集合にて撮影の
「なごみクリニック様」の写真です。
 
なごみOPS_3042.jpg
 
 
というわけで
ケイズインテリア様倉庫の完成写真は、
近々事例紹介のページに追加予定です。
全貌を、どうぞお楽しみに!
 
 
関連ページ:
 
 
 
 
 
(スタッフ:里沙)
 
 
【works(浜松 磐田)】
 
 

プラン例を1点追加しました。

 

「浜松・山手町の家」

※タイトルクリックでページへ移動します

 

浜松_山手町の家 05内観パース - コピー.jpg

 

穏やかで気品を感じさせる住宅街に計画した4人家族の住宅。
吹き抜けと緑豊かな庭により、自然界に佇むような開放感を表現しました。

ぜひ、ご覧ください!

ロシアによるウクライナ侵攻の被災者に対する、
建築家 坂 茂氏の支援が話題になっています。
 
難民としてウクライナの周辺国に避難した人々の避難所に、
「紙の間仕切システム」を設営したのです。
 
 
「紙の間仕切システム」とは、坂氏が生み出した簡易的個室のこと。
紙管を骨組みに、布をカーテンのように掛けて空間を仕切りします。
Paper Partition Systemの名称から、通称PPSと呼ばれるシステムです。
 
02_003xtech.jpg
写真:日経XTECH
 
 
2011年の東日本大震災を皮切りに、
国内外の災害避難所にこのシステムが使用・重宝されてきました。
 
特に東日本大震災の際は大きく報道もされたので、
見覚えのある方も多いかもしれません。
 
 
今回の支援について坂氏は、
 
「テレビで難民の受け入れ施設が映ると、
人々が雑魚寝している状況だった。
プライバシー確保だけでなく
感染症対策の観点でもPPSの必要性を感じ、
すぐに支援しようと思った」
 
とコメントされています。
 
 
坂 茂氏は元々、
紙管を建築の構造材として使うことで知られる建築家です。
避難所においても安定した品質で
プライバシー保護機能を確実に遂行し、
しかも美しいシステムが提供されているのは
建築家として紙管と「仲良く」してきた
バックグラウンドあってこそですね。
 
ちなみに、ここ静岡県にも坂氏の設計した建築
「静岡県富士山世界遺産センター」
があり、先日行ってきました。
こちらでは、椅子の背面と座面が紙管で作られています。
 
 
椅子.jpeg
 
シンプルで愛嬌あるデザイン。
座ってみると硬さと丸み、優しい質感が絶妙なバランスでした。
 
 
 
※建築について
 
外観001.jpeg
「逆さ富士」の形をした展示棟は、
水盤に「富士山」の形になって映る圧倒的なデザイン。
展示棟内部は、
らせん状に登山するように登りながら
展示物を見ていく順路になっています。
そして…建物上部からは、本物の富士山が展望できます。
 
壁を覆うのは「富士ヒノキ」なるブランド木材で、
全部で6,973ピースの部材が
編み込んだように組まれています。
展示棟壁.jpeg
ヒノキ1.jpeg
ヒノキ2.jpeg
 
避難所の紙管と、景勝地の紙管。
 
心身に安心・安全を提供すること。
美しさに心動かすきっかけをつくること。
 
どちらも建築家の社会的な役割であり、
プロとしての姿勢を改めて学んだ出来事でした。
 
 
参考:
 
 
 
(スタッフ:里沙)
 
 
 
【works(浜松 磐田)】
 
【works(浜松 磐田)】
 
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