今回は、
このサイトの「プラン例」に新しく追加した
「浜松・山手町の家」について、
さらに掘り下げてご紹介します。
 
住宅街の中で自然豊かな環境を作ったプランです。
どうぞご覧ください。
 
 
(立面図)
 
場所は浜松市中区。山手町に実在する土地が本プランの敷地です。
 
地図 山手町.jpg
(地図:国土地理院より)
 
 
山手町は浜松中心部にほど近い、高台に位置する住宅街です。
いわゆる高級住宅街として
落ち着いた雰囲気を保ち続けています。
 
 
家族構成はこちら↓
 
夫…40代 医師。 市内にてクリニックを経営。
妻…40代 看護師。 市内病院、大学にて非常勤。
子ども(兄)…小学校高学年
子ども(妹)…小学校中学年
 
 
普段はそれぞれに仕事や学校、塾、習い事と忙しい一方で、
休日には思い切り外遊びを楽しむ家族。
住宅も、自然界の中で毎日を過ごせるような環境を計画しました。
 
 
それでは実際のプレゼン図面に沿ってご紹介します。
 
 
 
 
【配置図・1階平面図】
 
浜松_山手町の家 01平面図1F.jpg
 
南に広く設けた庭には低木から高木まで彩ゆたかな木々を配置し、
明るい光と豊かな緑を室内に存分に取り込める計画としています。
 
 
 
 
 
さて。こちらの書き込み図をご覧ください。
 
配置図書き込み.jpg
■建物配置
図の右下・南東方面は隣家がなく眺望や採光も申し分ないため
全体として南東に向かって開けたつくりにしました。
 
■玄関アプローチ
浜松では玄関まわりを計画するにあたり、
冬の「遠州のからっ風」対策なしでは考えられません。
 
「遠州のからっ風」とはこの地域で冬に吹く風で、
西(図の左側)から冷たく強い風が冬は毎日吹き込みます。
 
出入りの度に室内に冷たい風が吹き込まないよう玄関は西面を避け、
北側に回ってドアを開けるアプローチとしました。
 
■車庫・駐車場
車社会である浜松では、
車庫から室内に直接入れる動線があれば
雨の日や買い物後、子連れでの帰宅などが
非常に便利です。
この計画でも、
車庫から土間収納を経由して
玄関ホールに到達する動線を確保しました。
 
車庫の配置は
人通りの少ない北側道路に面したビルトイン形式。
家の出入りが通行人から目立たないよう配慮しています。
 
さらに車庫を北側に配置したのは、
西から吹く「からっ風」対策でもあります。
車庫が西に面していると、
木枯らしの強風と共に吹き込んだ落ち葉などが溜まってしまいます。
 
吹き溜まりを作らないことで、掃除の手間がかからない設計としました。
 
ちなみに来客用駐車場は広い西側道路沿いにオープンに配置し、
初めてでも見つけやすいよう配慮しています。
 
 
 
 
【2階平面図】
 
浜松_山手町の家 02平面図2F.jpg
 
吹き抜けを作ることで、子供室と1階ダイニング、庭を緩やかに繋いでいます。
吹き抜けの先には近隣建物もなく視界が開け、目下に広がる庭の景色が楽しめます。
 
子供室・ダイニング・庭の関係性は
こちらの内観パースがあれば、
よりイメージいただけると思います。↓
 
浜松_山手町の家 05内観パース - コピー.jpg
(内観パース)
2階子供室では机に座りながら家族や庭の様子が感じられ、
適度に1階と距離があるため学習に集中できる環境です。
 
 
【立面図】
 
浜松_山手町の家 03立面図.jpg
メイン道路である西側道路正面から見た図面。
植栽を植えることで街に緑の潤いを与え、
内部のプライバシーも守ってくれます。
また、こもれ日の穏やかで明るい光が室内にも届きます。
 
 
【断面図】
 
浜松_山手町の家 04断面図.jpg
 
夏は日射を遮り、冬は温かい太陽光が存分に差し込むように
軒先の長さを調整しています。
 
軒先は、短か過ぎると太陽高度の高い夏の日差しが室内に入ってしまいますし、
長すぎると低めの高度の冬の太陽ですら室内に入れません。
このあたりの調整はある程度は実績や理論に基づいて設計しますが、
最終的にはスケッチで線を重ねながら検討します。
 
 
ちなみに図をよく見ると、
車庫の屋根の頂部が一部オープンになっているのが
おわかりいただけますでしょうか。
このオープン部分の上には2階の屋根が架かっているので、
車庫の中に雨は入りません。
車の排気だけが、上へ抜ける仕組みになっています。
 
 
 
 
「浜松山手の家」のプランをご紹介しました。
住宅街の中でも、少しの工夫で自然の恵みを満喫できる家はつくれます。
 
理想とする自然との関わり方は、人それぞれ。
家づくりや間取りでお悩みの方は、
家の中で感じられる緑や光についても
ぜひイメージしてみてくださいね。
 
 
 
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