こんにちは。
スタッフ 里沙です。
 
空気が澄んで、急に冬らしくなってきましたね。
 
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ここ浜松は温暖な気候で知られていますから、
気温自体は日中なら10℃以上の日がほとんどです。
 
ところが…
冬の浜松は、とにかく風が強い!
 
「遠州のからっ風」
 
と言われる、言わば風物詩。
これが吹くと体感温度は一気に下がります。
 
「からっ風」とは、
山を越えて吹き付ける下降気流のこと。
空気中の水蒸気は雨や雪として山に降るため、
山を越えた浜松には
乾燥した北西の強風が吹きすさぶ、
という仕組みのようです。
 
 
移住組である私は
浜松最初の冬、
「ゴーッ!!!」という音を立てて風が吹き、
街路樹が大きくしなっている街並みに
「台風?」と怯えていました。
 
それどころか
工事監理で現場の足場に上ると、
足場が大きく揺れて…
それはもう、スリル満点です。
 
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今となっては、轟音を聞くと
「今年も冬が来る!」と
ワクワクする位には
この風に慣れてきました。
 
 
さて、
浜松の建築設計においても
「からっ風」対策無しには語れません。
 
真冬に、台風並みに強い木枯らしが
玄関を開ける度に入ってくる状況、嫌ですよね。
 
 
例えばこちらの住宅のプラン。
 
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玄関は通行人からの視線をカットできる
北西にあるのですが、
北西と言えば、「からっ風」の吹いてくる方向。
板塀や樹木を設けることで、
風や西日をカットする計画としています。
 
(2002年 静岡県住まいの文化賞 優秀賞作品)
 
 
クリニックなどの医院建築でも同様で、
待合室に風が直撃しないよう、
風除室の配置を工夫しています。
体調の悪い方が訪れる場所ですから、
室内を暖かく保つことは
医院設計で最も重要なポイントのひとつです。
 
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とは言え、
建築デザインには
風対策よりも叶えたい夢が、
沢山、沢山あるはずです。
 
私達設計者の役割は、
念願かなって出来上がった空間で
どんな季節も快適に過ごせるように、
表立ったデザインだけでなく、
縁の下でも沢山検証を重ねること。
 
「遠州のからっ風」。
浜松の建築士としては
一生付き合う存在です。
 
 
 
(スタッフ:里沙)