こんにちは。
スタッフ 里沙です。
 
 
今日は「フォント(書体)」についてご紹介します。
 
建築のデザインとフォントには
とても密接な関わりがあります。
例えば医療福祉施設の設計では、
看板や室名表示のデザインに登場します。
 
ここで使う書体は言わば施設の「顔」であり、
建築の世界観を表現する大切な要素なのです。
 
かと言って、一筋縄では行かないな…と思ったのが、
設計事務所に入って最初に持った感想です。
 
 
民間建築とは言え、地域に開かれたクリニック等では
「ユニバーサルデザイン」をベースに設計します。
 
 
「すべての人が使いやすい」
と定義付けされているユニバーサルデザイン。
 
シャープで繊細なデザインの建築だったとして、
フォントも華奢な明朝体などにしてしまうと
弱視の方や高齢の方は判読ができず、
全くユニバーサルではありません。
 
 
さらに補足すると、
明朝体などのハネ・はらいが明確になった書体だと
「先が尖っている」ことにストレスを感じる方が
一定数いることが、研究などでわかってきています。
 
 
浜松市の「ユニバーサルデザイン指針」でも、
読み取りやすく刺激の少ないゴシック体などが
推奨されています。
 
フォント1.jpg
左:明朝体、右:ゴシック体。
 
 
文字数が多い時の「太ゴシック」は、
かえって読みにくくなるので要注意です。
線と線の間に隙間がなく、字がつぶれてしまいます。
建築も文字表記も、「余白」はやっぱり大切ですね。
 
フォント2.jpg
 
 
 
ちなみにゴシック体のデメリットとしては、
 
・角ばっていて「強い」印象
 
といったことが挙げられます。
 
そこで文字としての見やすさはそのままに、
このデメリットに応えられるフォントがこちらです。
 
フォント3.jpg
左:教科書体、右:丸ゴシック。
 
 
 
特に左の書体「UDデジタル教科書体」は
 
・書き順、留め、ハネ、払いの運筆がわかりにくい
 
というゴシック体の弱点をカバーしながらも、
視覚的に刺激の少ないやさしい書体として
開発されたものです。
教育機関など子ども向けの施設に、
とてもおすすめです。
 
また、教科書体は丁寧な印象を与えられるので、
ゆったりとした時間を提供したい空間との相性も
抜群です。
 
 
フォントはどんどん種類が増えていて
選ぶのがとても楽しく、
つい時間を忘れてしまう私です。
 
 
 
なお、建築全体のユニバーサルデザインについては
所長のコラムでもご紹介しています。
どうぞご覧ください!
 
 
個人病院のユニバーサルデザイン
 
 
 
 
 
 
参考:
ダイヤモンドオンライン
 
 
(スタッフ:里沙)
 
 
 
 
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