こんにちは。

スタッフ 里沙です。

 

突然ですが、皆さんに2つ問題を出します。

どれが正解だと思いますか?

 

「世界の人口のうち、極度の貧困にある人の割合は、

過去20年でどう変わったでしょう?」

 A. 約2倍になった

 B. あまり変わっていない

 C. 半分になった

 

「世界中の1歳児の中で、なんらかの病気に対して

予防接種を受けている子供はどのくらいいるでしょう?」

 A. 20%

 B. 50%

 C. 80%

 

 

これ、どちらも正解は

『C.』

なんです。

 

出典は、こちらの本。

ハンス・ロリング氏の

「FACTFULNESS(ファクトフルネス)」

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既に読んだ方も多いかもしれませんが、

世界中でとにかく大反響の本で、

感銘を受けたビル・ゲイツが

アメリカの大学卒業生たちに

無料配布したことでも知られています。

 

内容はざっくり言うと、

「きちんとデータを読んで、正しい判断をしよう」

「世界は、実際には良くなっている」

というもの。

 

 

さて、冒頭の問題。

私は「Bかな、Aかな・・・」

などと思って読み始めたのですが、

実際のところ、

世界は私の想像より遥かに豊かでした。

 

そして不正解は珍しいことでもなく、

平均正答率は1問目7%、2問目13%なのだとか。

しかも、

大学教授や医師、ジャーナリストなど

いわゆる「高い教養を持つ人たち」が回答しても

ほぼ同じ結果だというから驚きです。

 

本では

「チンパンジーが無作為に選択しても1/3の確率で当たるのに、

考えれば考えるほど正答率が下がる」

としており、

いかに私達が偏った情報を得ているかを

痛感させられます。

 

メディアはメディアで

報道にインパクトが無いと売れないですし

一旦置いておくとして、

大切なのは私達「情報を受け取る側」が

リテラシを鍛えておくこと、なのですね。

 

建築の世界でも、

「前提を疑え」

と、口を酸っぱくして言われます。

 

やや極端な例を挙げると、

「住宅はLDKと寝室・子供室から成り立つ」

「美術館は展示の順路があって、

最後にショップを通って建物を出る」

などのステレオタイプなイメージ。

 

これらを無意識に前提条件として使うことで

「自分のアタマで考える行程」を

ショートカットしていないか!?

が、常に問われます。

 

建築では「感情」の部分がとても大切になるので

データだけをプランの根拠にすることはありませんが、

あらゆる角度から検討材料を揃えて、

たくさん考えて、実践して・・・。

その過程があるからこそ、

良いものが出来上がるんだということを

忘れないようにしたいです。

 

物事が「白か黒か」で考えず、

ドラマチックに突っ走ったりせず、

自分から材料を集めてきちんと段取り。

 

「FACTFULNESS」、良い本でした!

 

(スタッフ:里沙)