こんにちは。

スタッフ 里沙です。

 

先日のこと。

名古屋はトヨタ産業技術記念館に、

「木組」の展示を観に行ってきました。

 

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この展示は、個人的に大好きな

神戸竹中大工道具館」の出張企画展という位置づけ。

日本の木造建築を支えてきた先人の技や知恵が

会場いっぱいにちりば散りばめられています。

 

 

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※場内は撮影OKでした

 

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こちらは2本の丸太を柱の上に組んだもの。

曲面を作った3本の部材をひねりながら嵌め込み、

上からくさびを差して留めています。

説明を見て、仕組みは分かっているはずなのに

立ち止まった足が動きません。。。

 

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こちらは凹凸のペアを縦に継ぐ「鎌継ぎ」の変遷を

時系列で展示したもの。

写真の右手前ペアは一番古い「鎌継ぎ」のタイプ。

後ろに行くにつれ時代が進み、

継ぎ目が矢印型のような鋭角になり、

外れにくくなっているのがわかります。

左手前ペアは近年のタイプ。

手彫りでなく、機械でプレカットされています。

 

 

そして、思わず声が出たのがこちら!

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「球体組子」。

5角形と6角形を組み合わせて作った32面体で、

最も球体に近い多面体、

「アルキメデスの立体」

と言われている形なのですが。。。

 

狂いない完璧な直線で幾何学模様を作り、

それを球体という曲線の立体にしている、

しかも、それを

かすかな温湿度の変化に反応する

木という「生き物」で組み上げている職人技に、

畏敬の念を覚えずにはいられませんでした。

 

心・技・体のこれほどの調和を目の前に、

職人と別分野である設計という立場でも

日々の鍛練にベストを尽くそうと

思った次第です。

 

 

こんな調子でじっくり観すぎた結果、

トヨタ産業産業技術記念館の

自動車や紡績の展示鑑賞は

時間切れでかなわず。

広くて展示も盛りだくさんの記念館。

次回は常設展目当てで行こうと思います。

 

 

木組 分解してみました」の名古屋特別展は4月5日まで。

特別展のみ入場無料。おすすめの充実度です!

 

(スタッフ 里沙)