こんにちは。スタッフ里沙です。
この春から、裏千家の茶道を習い始めました。
元々はお茶そのものよりも、
建築家・谷口吉生氏の設計した茶室、
浜松城「松韻邸」でお茶を習えるから!
という少々不純?な動機だったのです・・・
※浜松城HPより
ところがいざ通い始めると、
いい意味でそれどころではありませんでした。
まず、お稽古には筆記用具の持ち込みは禁止。
スマホのカメラ等も、もっての外です。
これは茶道の真髄である「一期一会」の精神を会得するための大切な規律で、
ひとつひとつの所作に集中し、
二度と来ない「今、この瞬間」に全身全霊を込めるためだそうです。
「一期一会」のおもてなしのため、
お庭から茶室のお花やお軸、
茶道具の茶杓一本さえも鑑賞の対象となり、
当日の客人のためだけに準備されます。
お点前をする亭主にも
招かれた客人にも、
入室前から退室後まで、
一挙手一投足、そして交わす言葉にもルールと意味があります。
それらの基礎を会得するだけでも、
10年はかかるのだとか。
なんだか、建築の世界と似ていると感じました^^
このように、お茶の世界は概要ですらとても紹介しきれませんが、
細部にまで宿る茶道の哲学に、すっかり魅了されています。
最後に、
お稽古で出てきた素敵な言葉を紹介します。
「瑞雨(ずいう)」
毎回、お茶をすくう茶杓には季節の銘がつけられ、
客人の鑑賞に上がります。
夏の夕立があった先日、この銘の茶杓が登場しました。
「瑞雨」とは、夕立のこと。
灼熱の夏の日をしっとりと湿らせて冷やす瑞雨には、
人々の心を落ち着かせ、穀物の生長を助けてくれる恵みの雨、
という意味が込められているのだそうです。
「暑い夏に土砂降りの雨」と捉えるより
ずっとずっと前向きで、
毎日がより美しく豊かなものになる気がしませんか?
先人の姿勢に、もっともっと学びたいと思う今日この頃です。
(スタッフ:里沙)